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2003年12月

子育てに優しい社会を

2003年12月号

『子育てに優しい社会を』中舘慈子

留まることのない出生率の低下が進む中で、今年は「次世代育成支援対策推進法」が立法されました。10年という期限を設けて国が、市区町村が、そして企業が、1すべての働きながら子育てをしている人のために2子育てをしているすべての家庭のために3次世代を育む親となるためにという3本柱に基づいた取り組みを行うこととなりました。「保育所の増設」一辺倒だった日本の児童福祉が大きな曲がり角に来て、「仕事と子育ての両立支援」から「子どもを持つすべての家庭支援」へと転換したのです。
日ごろ感じることは、子育てにあまり優しくない日本の社会です。たとえば、バギーに赤ちゃんを乗せたお母さんが、周りに気を使いながら電車に乗ると、迷惑そうな乗客の目が冷ややかに注がれます。優先席では、足を大きく開いた若い男性が眠ったふりをしています。ヨーロッパではお母さんがバギーを持って階段をあがっていると、紳士がさっと手を伸べてバギーを持ってくれる光景が良く見られるといいます。
一方、少しマナーの良くない親子を公共の場所で見ることがあります。まるでリビングの中のよう。新幹線で「お子様が席を離れて騒がないようにしてください。」というアナウンスを聞いたことがあります。新幹線の中は睡眠不足のカバーや書類作成の貴重な場所です。騒がしいお子様がいたら、「静かに座っていましょうね。」とみんなで声をかけ、保護者の方もそれを受け入れてくださると良いのですが・・・。
社会性を培うのもおとなの「優しさ」だと思います。今後様々な取り組みがなされていくことでしょう。弊社としてもさまざまなサポートの方向性を探りたいと思っています。子育て中のご家族が孤独にならないような「子育てに優しい社会」が来ることを心から願いながら。