ホーム>子育てエッセイ>2004年1月

2004年1月

聴くこと受け入れること

2004年1月号

『聴くこと受け入れること』 中舘慈子

ファミリー・サポートではサポートをするときに「聴くこと受け入れること」を大切にしています。直営施設カーサデルバンビーノで採り入れているレッジョエミリアの教育も「聴くことの教育学」であると言われています。

“子どもには100とおりある。
子どもには100のことば100の手100の考え遊び方や話し方(がある)
歌ったり理解したりするのに100の喜び発見するのに100の世界夢見るのに100の世界がある。
けれどもわたしたちはその99を奪ってしまう。そして子どもに言う。
遊びと仕事現実と空想科学と想像空と大地道理と夢はいっしょにはならないものだと。・・・“

と、レッジョエミリア教育を確立した学者ローリス・マラグッツィは述べています。それは私たちが子どものこころの一部しか捉えていないということです。100のことばを聴くには、私たち大人は子どもが黙っている時間も含めて、耳だけでなく五感で子どものこころを理解しなければなりません。子どもも含め、他者のこころに耳を傾けるということは、自分の判断や価値観を通して聴くのではなく、お互いにこころを開き、価値観の違う他者の視点を理解することです。

つい大人は小さな子どもに上から指示をしがちです。子どもが「いやだ。したくないよ。」と言ったとき、「どうしてそんなことを言うの!」「言うことを聞きなさい!」と言いがちです。おそらく子どもはさらに反抗し、ついには泣き叫ぶかもしれません。こんなとき「あなたはそのことをしたくないのね。」「本当はどうしたいの?」と、弊社のスタッフはお子様のことばを静かに聴くように心がけています。お子様は分の気持ちを受け入れられたと感じ、ただ反抗しているのかほかにしたいことがあるのかも自分で考えることができるでしょう。

より難しいのが大人同士のコミュニケーションです。在宅保育はそれぞれのご家庭のご要望をお聴きし、教育方針を理解し、それにそった保育を行います。ご家庭の価値観にあわせた保育を行うために、サポーターはご家族のこころを聴く努力をいたします。しかし時にはお子様のことについてシッターの考えをご家族に聴いていただきたいこともあるでしょう。第三者だから見えるお子様のこころもあるかもしれません。

今年もご家族とサポーターが尊重しあうことから、温かい信頼関係が築かれ、お子様のこころを聴きながら、お子様の健やかな育ちをサポートさせていただけることを心から願っています。