ホーム>子育てエッセイ>2005年4月

2005年4月

お姉さんの出勤簿

2005年4月号

『お姉さんの出勤簿』 中舘慈子

ファミリー・サポートではフォローアップ研修を行っています。ベテランシッターさんでも、基本の基本から勉強しなおしてみる研修です。
シッターさんの仕事は1対1でお子さまと向かい合う仕事。ひとりで考えて悩んでしまうこともあるでしょう。うれしかったことがあっても、なかなか一緒に喜び合う仲間もいません。こんな機会に、普段思っていることを話し合い、共感しあい、お互いに高めあう研修でもあります。
「最近のシッティングでうれしかったことを1分以内で話してください」と、呼びかけてみました。シッターさんのうれしかったことは、お子さまと心が通じ合ったことなのだなあとつくづく感じました。

・小学校1年生の女の子が「お姉さんの出席簿」を作って、シッターの行く日に○をつけて待っていること
・1年ぶりに伺ったお宅でお子様が飛びついてきて、帰りは「帰っちゃダメ」と言ってくれて、しかもとても成長していたこと
・少し遠慮していたお子様が6ヶ月たって「バスで帰りたい」と、ママに言うのと同じわがままを言って甘えてくれたこと
・小学生になったお子様からお手紙をいただいたこと
・テレビを見て「○さん(シッターさん)にそっくり」といわれたこと

そのほか、お子さまと連弾を弾いたこと、作文の苦手だったお子様が(シッターさんの指導で)市の教育賞をもらい、全校生徒の前で読んだことなどもありました。シッターさんそれぞれの持つ特技を生かして、お子様の力を引き出し、伸ばせることも大きな喜びですね。
また、お子様と一緒に桜の花びらを集めていたりすると忘れていた子ども時代の気持ちをふっと思い出すという感想もありました。忘れていた新鮮な感動が甦る仕事なのですね。童心に返って歌を歌ったり、踊ったりできるのもこの仕事の喜びです。
ベテランシッターさんからは、10ヶ月のときから小学校1年生までシッティングをしてレギュラーが終了し、涙涙のお別れをした話があり、聴いているシッターさんも思わずもらい泣きをしていました。お子様も悲しくてシッターさんの顔を見ることができなかったそうです。こんな深い人間関係が築けるのも、そのシッターさんの温かい人間性によるものなのでしょう。
実は「お姉さんの出席簿」をつけてもらっているシッターさんは、40歳代半ば。でもお子様にとって「お姉さん」のように親しめる楽しい存在なのでしょう。安全を守るために決して気を抜くことはできませんが、お子様の笑顔をもらう喜びの多い仕事、それがベビーシッターの仕事なのかもしれませんね。