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2007年2月

在宅ワークと育児の両立

2007 年 2月号

『在宅ワークと育児の両立』
 
浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター)

新年早々、長編ルポを3本執筆することになり、この十日間というもの、一日平均して計8時間は仕事部屋にこもり、パソコンに向かっている。私が仕事部屋でパソコンに向かっている間、娘は隣の和室(出られないよう柵をしてある)で遊ばせるか、または、歩行器に乗せてリビングで遊ばせている。仕事部屋は大切な書類や資料が山積みなので、極力いれないことにしているのだ。でも、当然ながら、娘がごきげんに遊んでいてくれるひとときはそう長くつづかず、しばらくすると、泣くかぐずるかしはじめる。放っておくと大泣きに発展するので、そのたびにあやしにいき、積み木や絵本でしばらく相手をし、機嫌が戻ったところで、また仕事部屋に戻る。これを30分ごとに繰り返しながら、私の原稿はしあがっていく。

相手をしつづけないと、どうしてもダメときは「おんぶ」である。不思議なもので、娘はおんぶされるとおとなしくなる。ママの背中のぬくもりに安心するのだろうか。ぎゃんぎゃん泣かれたり、仕事部屋で遊ばせるリスクを考えたら、たとえ重くても背負っているほうがいい。

9.5 キロの娘をおんぶひもで背中にくくりつけ、私はもくもくと原稿を書く。途中、何度も書棚のファイルや資料を見るために立ちあがるのだが、娘をおんぶしていることを忘れて立とうとして、あまりの重みにバランスをくずし、後ろにひっくりかえりそうになったこともある。月に一度のご褒美で、近所の整骨院にマッサージに行くたびに、「肩も腰も、石みたいに凝ってますよ」と言われ、そのたびに、今後も増え続ける娘の体重を思い、ため息が出てしまう。

夕暮れの西日が差しこむ琥珀色の仕事部屋で、娘を背負いながら本棚の前に立ち、ファイルをめくっていると、窓から夕焼けが見えることがある。しばし手を休めて、ベランダ越しの美しい夕焼けを見つめていると、なんとも言えず感傷的な気持ちになる。正直、保育所の利用を考えたことがないわけではないが、娘のぬくもりを背に感じながら夕焼けを見つめていると、娘と半日離れていることがたまらなく淋しく感じられる。毎月の保育料だってかなりの額である。

昨晩、とうとう夫が「俺がいないときで、本当に仕事が大変なときは、シッターさんに来てもらったら?たまになら、いいよ」と言ってくれた。たぶん、私が仕事がはかどらずに、相当不機嫌だったからだろう。夫の気が変わらないうちに、早速申しこむことにする。次回は、シッター初活用について、元シッターの視点も含めて書こうと思っている。