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2007年8月

レッツ、震災対策!

2007 年 8月号

『レッツ、震災対策!』

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター)

就学前の小さな子どもを持つ母親を対象にした地震対策本の執筆が、先週、ようやく終わった。あちこちに取材して半年がかりであったが、書きながら、これまでの我が家の震災対策がどれほどゆるかったか、そして大震災発生後のひと月を乗り切るための知識と情報を、いかに持ち合わせていなかったかを、切実に痛感した。

この本の製作にあたって、就学前の子どもがいるママ百人にアンケートをとったのだが、実は6割近いママが、たいした震災対策をしていないことがわかった。「起きたら起きたで、そのときは、しょうがない」「すぐそばに避難所もあるし、なんとかなるだろう」と、半ばひらきなおっているのだ。私自身、それほど本格的にやっていなかったのでエラそうなことは言えないが、そのひらきなおりが命とりであること、そして、たとえ無事でも、各家庭での最低限の用意・備蓄がないと、非常に苦しむことを知ってほしい。食料も水も、配給が始まるまでには相当の時間がかかるし、配られる量だって少ないのだ。

せめて、最低限の「安全な家づくり」だけは、やってもらいたいので、ここで簡潔に紹介する。まず、ホームセンターなどで、①家具固定グッズ、②扉開き防止ストッパー、③ガラス飛散防止シートを購入し、要所にとりつける。家具固定グッズは、L字型金具・前倒れストッパー・天井つっぱり型・床密着ラバーなど、さまざまな種類があるので、適切なものを選ぶ。。

そして、グラッ!と来たときに、家族がとっさにもぐりこむシェルターとして、頑丈なつくりのダイニングテーブルをひとつ、食堂に置いてほしい。テーブル板の裏中央にとりつけて補強する、いわば5本目の脚「シェルターポール」をとりつけるのもおすすめである。子どもに「グラッときたら、すぐにテーブルの下にもぐって、この『つかまりん棒』にしっかり捕まるのよ」と日頃から教えておくのだ。夜の地震で停電というケースを考えて、懐中電灯をテーブルの脚などに結びつけておくといい。

これだけで、生き残れる確立は各段に上がり、ケガの確立は各段に下がる。それだけではない。地震が起きる起きないにかかわらず、日頃からの震災対策は、日常のなかで子どもに、親がどれだけ子どものことを考えているか、想っているかを実感させることができる、愛情表現を兼ねた取組なのだ。さぁ、レッツ震災対策!

約束

2007 年 8月号
『約束』 中舘  慈子

もうすぐ3歳の誕生日を迎える孫のプレゼントを何にしようかと悩んでいた。子どもには「ほしいな」「こうだったらいいな」という夢をもってほしい。「すぐに手に入らないけれどほしいものがある」という思いが子どもを成長させると思う。ともかくまだ2歳の孫に聞いてみることにした。

「もうすぐ3歳のお誕生日よね。プレゼントは何がほしい?」
孫は、じっと考えていた。そしてはっきりした口調で言った。
「ひこーきかへりこぷたーがほしいな。おっきいのぉ~~」
「わかった。“お約束”する!!」

仕事をしていると買い物の時間は限られている。誕生日まで2週間足らずのある日、やっとデパートに行くことができて、ミニカーの入る飛行機のおもちゃを見つけて孫の誕生日に届くように配達を依頼した。 プレゼントをあけた孫は、 「わ~い。おっきいひこーきだあ~。おばあちゃんと“おやくそく”したんだぁ~」と、大喜びして叫び、その夜は飛行機のおもちゃをしっかりと抱いて寝たという。

その後、遊びにきたとき、しばらく使わなかった粘土が固くなってしまっていた。「固くなってしまったわねえ。今度来るまでに買っておくからね。」しかし、忙しい毎日、粘土を買うことをすっかり忘れていた。 次に遊びに来たとき孫が真っ先にとんでいったのは粘土のコーナーだった。「ごめんね。まだ買ってなかった。」
「“約束”はちゃんと守らなくちゃだめでしょ!!」

ママにちょっぴりしかられた。
今日孫が来る。この2・3日粘土を買う時間がなかった。大人は子どもへの“約束”を守らなければならない。孫の来る前に粘土を買いに出かけなくては・・・・。