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2009年6月

『子どもの友達』

2009年6月号

『子どもの友達』

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター)

 

長女が保育園に通い始めてからのこの2か月は、咳がなかなか完治しなかったり、突然、発熱したりで、結局、月の半分は休んだ。「集団生活がはじまったら、最初の1年はウイルスとの戦い」とは聞いていたが、これほどとは思わず、病気以外にもストレスなどの精神的な負担が強いのではと、私もずいぶん悩んだ。思い切って、ひと月ほど休園させようかとも思ったが、長女は保育園を嫌がっておらず、むしろ行きたがっているので、もうしばらく、様子を見ることにしている。

帰宅後、「今日は保育園でなにしたの?」と娘に聞くと、「おすなば~」「おもちゃ~」、「ちゅべりだい」など、うれしそうに答える。マイペースかつ家の外では内弁慶な娘なので、ひとり遊びの時間が多いようだ。早く、お友達の名前が出ないかなぁと思っていたら、ようやく先月末、「○○ちゃんと遊んだ~」という言葉が、ぽろりと娘の小さな口から出た。そのときの私のうれしさといったら…。娘の送り迎えは主人がしているので、○○ちゃんがどんな子かわからないけれど、きっと面倒見のいい子なんだろうなぁと思った。

それからも、その○○ちゃんの名前が、しょっちゅう娘の口から出るようになり、「○○ちゃん、だいしゅき~かわいい~やさし~」と、のろけている。先日、主人に代わってお迎えにいったときに、「○○ちゃん、どこ?」と娘に聞いたら、娘が私の手をもって、○○ちゃんのところに連れていってくれた。そして、はじめて、○○ちゃんがダウン症であることを知った。

「○○ちゃん、いつもさっちゃんと遊んでくれてありがとうね。さっちゃんはね、○○ちゃんのことが大好きだって」ひざをついて、ゆっくりとそうつたえたら、メガネの奥から、なんともいえない優しいまなざしで見つめられ、思わず両手で抱きしめてしまった。こんなにも強く、人の子を愛おしく感じたのは初めてで、娘をつうじて、私も成長していくんだなぁと思った。