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2012年6月

ラストラン(6年生リレー)

ときめきエッセイ 第101回

ラストラン(6年生リレー)

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター)

 

今月はじめ、小学1年の長女の初運動会があった。これまでの、保育園の園庭で開催されるアットホームなものとは異なり、6学年(約800人)が、「紅組」「白組」の二つに分かれて真剣に勝ち負けを競い合う、大規模なものである。

紅組、白組の応援団長&応援団による「応援合戦」で幕を開けたが、まず、これがよかった。団長はじめ、応援団全員が声をはりあげ、手を振り、味方、そして敵チームにもエールを送るという、その厳かで神聖な儀式に「伝統ってやっぱりいいな」と思う。

午前から午後にかけては、各学年ごとの徒競走、団体表現、団体競技、そしてリレーがある。1年~3年生までの「低学年」は、まだ小さな体で一生懸命がんばる姿が、とにかくかわいらしく、ほほえましい。

いっぽう、4年~6年生の高学年は、その「かっこよさ」にぐっとくる。団体表現では、そろいのはっぴを着ての粋なヨサコイや、組体操などが披露されたが、そのレベルの高さに驚かされた(人間ピラミッドなんて4段あって、頂点の子は立つのである…)。

そして、最後を締めくくるのは「ラストラン」(6年生リレー)だ。久しぶりに生のリレーを見て、少なからず胸を打たれた。特に、バトンの受け渡し地点で、最下位でようやくバトンを受け取った子達が、みな、「俺(私)がぬいてやる」とばかりに、鉄砲玉のように走り出す姿に。

これまでは、街中の小学5、6年生を見るたびに、シッター先の「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」に会うたびに、「自分達の頃とは、全然ちがうな…」という思いを常に抱いていた。お洒落にやたらと関心が高く、DSなどのゲーム機を携帯し、ヒップホップやゴルフを習い、女子にいたっては、かつて私達が夢中になった「りぼん」などの少女漫画ではなく、ローティーン向けのファッション雑誌をめくっていたりする。こちらが話しかけても、けっこうクールな彼(彼女)達には、「一生懸命」という言葉は似合わない気がしていた。

でも、最下位でバトンを受け取るやいなや、歯をくいしばってがむしゃらに走り出す彼らは、クールでもお洒落でもなかった。ただただ、ひたむきで懸命だった。我が子の写真撮影に必死になっている自分がなんだか恥ずかしく、人の子ががんばる姿にこれほど胸を打たれたのは、はじめての経験だった。

 

一芸にひいでる

一芸にひいでる 

保育スタッフ M.S.

 

自分にとって一芸にひいでているものは? と考えたとき、趣味の陶芸は趣味にとどまって、一芸にひいでるほどでないし、誰にも負けずこれだけは自信ある! と言えるもの、それは育児―子育て―です。

学生のころに学んだ幼児教育の理論を自分の子育てに実践したこと、これが私の自慢できる一芸です。

胎教のためにいい音楽を聴き、お腹の子に語り掛けました。夫も毎日大きくなっていくお腹に口をつけてなにやら語りかけていました。誕生したあとは母乳で育て、育児日誌をつけ、お散歩したり、ご近所さんと意識的に交流したり、食事のバランスを考えて食べさせたり、語りかけは正しい言葉遣いで、あそびに集中しているときは邪魔せず、見守り。楽しい体験(キャンプ、スキー、お祭り、お泊り~etc.)をできる限り採り入れ、公園めぐりにいそしみ~と、生活そのものが子どもの成長に影響してくるので、子ども中心に生活し、楽しみ、子どもと共に生きた子育てでありました。

育児日誌は2人の子どもたち3歳までつけ、その後は2人の子どもの新聞を作り楽しみました。

この育児は、多分、私の人生の大きな宝物となっています。その子どもたちもおかげさまですくすく育ってくれ、2人とも父の母校のW大学卒業後、総務省、大学職員となり、ただいま社会人として貢献しています。そしておのおのが人生の伴侶と出会い、また、親に楽しいプレゼントを施してくれています。

楽しかった! わが子達の育児、これは誰にも負けない自分自身の大きい自身となっています。

育児が一芸とはいえないかもしれませんが、この育児は自分の誇りとなっています。