ホーム>子育てエッセイ>2012年11月

2012年11月

福島の七五三

ときめきエッセイ 第106回 

福島の七五三

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター・詩人)

 

先月の上旬、主人の個展の手伝いで福島県郡山市に数日間、滞在した。個展会場は「開成山大神宮」の中にある建物で、週末には何組もの家族連れが参拝に訪れ、ひと月早い「七五三」を祝っていた。晴れ着に身を包み、笑顔あふれる福島の子ども達と、子の写真を撮る親達の姿を見つめながら、いろんなことを思った。 

今、3歳前後の子ども達は、1年8カ月前の大震災と原発事故の時には、まだ乳児だったわけで、母乳育児真最中だった母親も大勢いるだろう。たたでさえ乳児を抱えた母親は神経質になりがちなのに、「母乳からセシウム検出」などの記事が全国紙の一面に載る日々が続く中、どれほどの不安と葛藤、目には見えない恐怖に怯えながら、子どもを育ててきたのだろうと思う。 

第一原発から約60キロ離れ、仮設住宅が立つ郡山市においても、仕事がある父親だけ残って、母子だけでより放射線量の低い地へ避難するケースが少なくない。市内の幼稚園や小学校の児童数も相当減っている。そんな中で、福島にとどまり、生活してきた母子の心情を思うと、同じく小さい子どもを持つ親として、なにかせずにはいられない。 

震災以降、昨年末まで、主人と二人、国が設置した全体の義援金窓口へ、展示販売会の収益の1割を寄付する活動を続けてきた(詳細はHP参照)。それとは別に、ピンポイントに「福島の母子」への支援がしたい。福島の七五三を見ていて、そう強く思った。

 幸い、福島の実業家の方々によるプロデュースで、来春、郡山市で「母と子の情愛」をテーマにした「詩の朗読会」を開催することになった。(主人の講演&スライド上映、展示販売も有り)。このイベントの収益の一部を、「福島の母子支援」を目的に、継続的に活動しているNPO団体に寄付することになった。「母と子の詩」をつうじて、少しでも福島の母子に寄り添えたら、こんなにうれしいことはない。