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2014年4月

2歳と3か月の兄妹ちゃんのシッティングにて

2歳と3か月の兄妹ちゃんのシッティングにて

 

バンビーノ・クラブ ベビーシッター

森田 公子

 

2歳と3か月の兄妹ちゃんのシッティングでのことです。

お母様より「ベビーシッターにまつわる悲しい事件の後、

バンビーノクラブさんは事前にプロフィールを頂け、安心です」とお聞きしました。

 

赤ちゃんが生まれ不安定だったのか、2歳のお兄ちゃん、

私と2人になると「メラメラ」と音を立てそうな位、お互いの探り合いの緊張が走りました。

 

しばらく遊んでいましたが、15分程経過した頃、ビーズの入った缶をひっくり返してくれました。

私は「うわ~ビーズさんと同じに転がっちゃう~」と床に転がり困り顔。

お兄ちゃん大ウケで、緊張の糸はほぐれました。

すると「そのおひざ少し借りてもいいですか」とでも言いそうな感じで

お尻から近づいてくるお兄ちゃんの可愛らしさ!!

意気投合でたくさん遊べました。

 

帰り際、お母様に「お行儀悪い遊びをさせてしまったかもしれません、すみません」と謝りました。

お母様は「今日は絶えず笑い声がして安心して休めました。今までこのイタズラができなかったんでしょう。

この人ならどんな反応をしてくれるかなと思ったのでしょう。ありがとう」

 

早目にお父様が帰られたので、先程2人で作ったスケッチブックの絵を見せると

「good job!」

 

笑顔いっぱいのお兄ちゃん、もちろん私も嬉しかったです。

 

創立20周年によせて

ときめきエッセイ 第123回 

 

創立20周年によせて

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター・詩人)

 

2月末、株式会社ファミリーサポートの創立20周年記念パーティーに出席した。会場は結婚式場としても人気の、格調高い「学士会館」である。円卓に着席し、おいしいビュッフェを頂きながら、来賓の方々の祝辞と激励、中舘代表のプレゼンテーションに耳を傾け、美しいピアノ演奏と声楽を味わい、長期勤続者の表彰式、全員集合してのにぎやかな記念撮影と、学術&芸術&娯楽が融合した楽しいひとときだった。

パワーポイントを使って会社の歩みやイタリアの幼児教育の取組み等について発表する中舘氏を見つめながら、12年前、新宿の旧オフィスにベビーシッターの面接に行き、初めて中舘氏に会った時のことを懐かしく思い出していた。一般的な「女社長」のイメージとは異なり、「上品で堅実で、にこやかな奥様」という雰囲気に、「こんな女社長もいるんだなぁ」と内心、驚いたものだ。

面接から数日後、(失礼ながら)中舘氏についてネットで検索してさらに驚いた。東大を出て23歳の若さで結婚し、28歳で既に3児の母になり、39歳までご主人の仕事で、家族で地方転勤を重ねていたという経歴に、である。当時、多くの高学歴女子はキャリア志向ゆえに独身か、たとえ結婚してもDINKS(共稼ぎで子ども無し)が多かっただけに、改めて「こういう女性もいるのかぁ…」と思ったものだ。

でも、今になって思う。結婚後16年間、妻・母としての人生を最優先してきた人だからこそ、「子どもの教育」と「女性が母親になっても、一個人として自分の人生も大切にしながら生きてゆける社会づくり」への思いが人一倍深くて、だからこそ保育・教育事業がライフワークになったのかなと。

昔も今も、多くの母親は噛みしめている。近くに頼れる両親もなく、どこに行くにも子どもを抱えて、自分の時間が持てず、「一個人」としての自分自身が、日々ひからびていくような思いを。しょっちゅう(しかも当日…)、熱を出す子どもに、外に働きに出る勇気も出ず、仕事で家にいない夫の協力も期待できず、結局、仕事も趣味も自分の時間も、あらゆることを「母親なんだから、しょうがない…」とあきらめる癖がついてゆく哀しさを。

私も母になって以降、それまで毎月引き受けていた地方取材の仕事を降りることになった。収入が激減したこと以上に、独りでさいはての地を旅する機会がなくなり、旅先ならでの抒情や孤独を噛みしめるなかで、詩が降りてくるひとときも失ったことが哀しかった。

経済面や信頼面の問題もあり、シッターをよく活用している子育て家庭は、まだまだ少数派だと思う。今後は行政による支援や助成制度なども進んで、技術・知識・信頼のあるシッティングサービスがより一般化し、「女性が母親になっても、あきらめ癖がつかない社会づくり」が進むよう、私も微力ながら働きかけてゆきたい。