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2014年6月

調理ボランティアへの参加

ときめきエッセイ 第125回 


調理ボランティアへの参加

浅田志津子(教育・福祉関係のルポライター・詩人)


 結婚後ずっと、家族のために日常の料理のレパートリーを増やそうと思い続けてきたが、なかなか増えない。忙しさを理由に週3は「焼き魚」に逃げている。これまで料理教室にも通ったし、料理の本もあきれるほど買っている。けれど、レセピ通りにさまざまな食材や調味料をすべてそろえて、新しい料理に挑戦することが、なぜか私には非常に難しい。

 

結果的に我が家の夕飯は、おなじみのレパートリーがぐるぐる回る。当然、買う食材もパターン化してくる。時々、ご近所からウド、セリ、フキなど、日頃なじみのない野菜を頂いても、どうしていいかわからず、恥をしのんで義母に聞いている。内心、あきれられている気もするが、田舎の母に電話で聞いて、けんかになるよりマシである。
 

今年は結婚十周年でもあり、一念発起して3月から地域の社会福祉協議会が取り組んでいる、「独居高齢者対象の会食サービス事業」の調理ボランティアに参加させて頂くことになった。これは、毎月1回、地域のひとり暮らしの高齢者を公民館に招き、昼食をともに食べながら、おしゃべりを楽しみ、食後はその日のゲストの楽器演奏や講話等を聴いたりするものだ。ひとり暮らしの高齢者同士の交流だけでなく、生活状況や体調の変化の把握なども兼ねており、全国の市町村で実施されている。
 

調理ボランティア約15名は、当日の朝8時半から、公民館内の調理実習室で、約50人分の昼食(メイン、副菜数種、ご飯、汁物、デザート)を用意する。洗い物や配膳作業をしながら、ベテラン主婦の調理風景を見ているだけで楽しい。毎回、高野豆腐、切り干し大根、桜えびなど、恥ずかしながら使ったことがない食材に出会う。聞くと、いろいろ教えてくれるのもうれしい。
 

 高齢者の方々の「おいしい」「ごちそうさま」「毎月の楽しみ」といった感謝の言葉も、料理教室とはまた違った充実感がある。まだ始めたばかりだが、少しでもレパートリーが増えていけばいいなと思っている。