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2015年10月

個性の違う子どもたちを同時にみるということ。 ~「ベビーシッター」を利用して(4)~

個性の違う子どもたちを同時にみるということ。

~ベビーシッターを利用して(4)~

白川 優子(ライター)

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第一子(息子)が3歳の頃、お腹に新しい命が宿りました。息子はまだまだ甘えたい盛りでしたが、小さいながらも、妹か弟の誕生を心待ちにしていました。

生まれたのは妹でした。心配していた赤ちゃん返りもなく、息子は妹をかわいがってくれ、はたから見ていて微笑ましく感じたものです。

ところで子どもの「個性」というのは本当におもしろいものだとこの頃不思議でたまりませんでした。同じ親から生まれ、同じ環境で育っていても、息子と娘は赤ちゃんの頃から、興味の対象や性格が、まったく違っており、一人目で培った(?)はずの経験や対応が空振りに終わったり、新しい発見が次々とありました。息子にせがまれ何度も読み聞かせたボロボロの本に娘は無反応であったり、息子が抱いて寝るほど好きだった電車のおもちゃは娘に見向きもされず、息子を泣き止ませたおもちゃは時に、娘を泣かせるおもちゃとなりました。

 

年齢があがっていくにつれ、改めて、個性の違う子どもたちを、同時に遊ばせる、楽しませるにはどうしたらよいか考えることが多くなりました。仕事をしているからこそ、子どもたちといる時は、一人一人ちゃんと向き合いたい。と思っていたのですが、私はその頃、「△△くんの遊びは、○○ちゃんにご本を読んでからね」「△△くんは公園で遊びたいから、○○ちゃんもついてきてね」と、どちらかに合わせて一人をがまんさせてしまうような、本当に不器用な母親で、4人も5人もきょうだいのいるお母様方は、どうしているのか。20人、30人を一緒に遊ばせる保育士さん、幼稚園の先生などは、どんな工夫をしているのか、非常に興味がありました。

その頃も、ベビーシッターにお世話になっていたのですが、子どもたちから「シッターさんは○○とばかり遊んでいて、つまらなかった」といった不満は一度も聞いたことがありません。どうやって遊んでいるんだろう??と、シッターさんからいただく記録を読んでみると・・・

 

「すみません、私、適当かもしれません」と恐縮しながらおしえてくださったのは、折り紙やブロックなど、二人で共通して使えるアイテムを媒体(?)に、息子とは戦いストーリー、娘にはお姫様ストーリーで相手をしており、別々の「ごっこ遊び」を同時進行しているというものでした。時々お互いのストーリーに乱入したりもしながら、実に上手に相手をしているのに関心したものです。

なるほど、同じ遊びで二人を満足させようとしていたから難しかったんだ・・・シッターさんの記録を読むと、基本的に別の遊びをしている方が多いようでした。それからは深く考えず、それぞれの希望の違う遊びを同時にやってみることに。娘と塗り絵をしながら、時々息子の粘土怪獣に攻撃を加える。適当に流しながら、相手をするだけでも、子どもたちはどちらかの遊びに付き合わされることがないので、楽しいようでした。

 

様々な個性を持ったお子さまをたくさんみているプロのベビーシッターさんは、知らず知らずのうちに、その子に合わせた遊びを自然にできるようになっているのかもしれません。時には、母親でもわからなかったような、その子の興味を引き出してくれるような遊びをしてくれることもあります。

シッターさんの記録を読むと、個性の違うきょうだいが、どのように過ごし、遊んでいたのか、客観的にとてもよくわかります。時には大きなヒントが隠されていることもあるので、今後も、記録は大切に読ませていただこうと思っています。