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2016年1月

お腹にいる時から、応援しているよ。 ~ひとりぼっちじゃない子育て(1)~ 

お腹にいる時から、応援しているよ。

~ひとりぼっちじゃない子育て(1)~

白川 優子(ライター)

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新しい年になりました。

雪が降っても寒さが厳しくても、元気に外で遊ぶ子どもたちの声が聞こえます。私の住まいの周辺には、時に騒がしくやんちゃな子どもたちでも温かく見守って、ダメなことは叱ってくださる環境があり、ありがたいな、という気持ちでいっぱいです。

子育ては自分とそのパートナーだけではなく、いろいろな方の複数の目で見守ってもらえると、母親(または父親)は孤独にならずにすむ。その大切さをひしひしと感じる中で、エッセイのテーマもしばらく「ひとりぼっちじゃない子育て」として書いてみたいと思います。

今、ひとりでがんばっている、悩んでいるお母さん(またはお父さん)がいるとしたら、その思いを共有させていただきたい・・・そんなメッセージとして。

 

初めての妊娠。お腹に生命を宿した瞬間から、それまでの人生で感じたことのなかった色々な感情が湧き上がってきます。

気にしたこともなかった近所の赤ちゃんの泣き声が大きく聞こえるようになり、外出先では妊婦さんや赤ちゃん連れの人がやたらと目に付くようになりました。

そして、朝の混んだ通勤電車の中にも、お腹の大きな妊婦さんが少なからず乗車しているということも。私が長男を妊娠した10年以上前は「女性専用車両」も「マタニティマーク」もなく、乗降の時にお腹の大きな妊婦さんがドッと押し流されるたび、ヒヤヒヤしてみていました。そんな中、自分は、妊娠初期のつわりが始まると、周囲の人の洋服や整髪料のちょっとした匂いにも、動物のように敏感になり、気分が悪くなって途中下車を何度もしながら通勤することもありました。

 

それでも、お腹の膨らみが目立つようになってくると、知らない人の優しさにたくさん触れる事になりました。マタニティマークがなくても、何度、席を譲って頂いたことか。「妊婦さんですよね?違ったらごめんなさい」「お腹、気付かなくてすみません、どうぞ」などと声をかけられるたびに、「お腹の赤ちゃんは、まだ生まれてもいないけど、いろんな人に守ってもらってるんだ」と感じるようになりました。

 

知らない人から話しかけられることも増え、同じような大きさのお腹の女性とすれ違うと、なんとなく会釈をしてみたり、ニコっと微笑みかけられたり。

ある時、バスで話しかけられました。「お腹の赤ちゃん、何ヶ月ですか?実はうちの奥さんも妊娠中なんです。がんばってください!」頬を高潮させ、うれしそうにそう言って席を譲ってくれた男性は、今では良きパパになっていることでしょう。

 

お腹の中に芽生えた小さな命のおかげで、接点もないまったく知らない人から応援された経験によって、つわりの辛さや、思うように動けない臨月の苦しさの中でも、「がんばろう」と思えました。

そう、自分ひとりで守っているわけではない、妊娠初期から、多くの人たちの優しさやいたわりが赤ちゃんを育んでくれ、「ひとりぼっちじゃない子育て」はすでに始まっているのかもしれません。

 

次回に続く